こんにちは。
大松矯正歯科クリニックの高 大松(”Dr コウ”)です。
皆さん、お元気ですか?
最近、医療界では『再生医療』が注目を集めています。
再生医療が叫ばれている理由を二つ挙げると、人工臓器と移植医療の限界が見えて来たということが言えると思います。
歯科の場合、歯を失ったら入れ歯やインプラントで失った部分の機能を再生します。
それらはあくまで人工的なものですから生体親和性に問題があります。
そこで、再生医療を利用して、自分自信の細胞から分化させた歯や骨を作り出そうと言う試みが進んでいます。
まだ、実用化には時間がかかりますが、いずれ近い将来には十分可能な技術です。
その前段階として、自家移植と言うものがあります。
自分の歯を他の部位に移植するというものです。これはすでに実用化されています。
矯正治療の場合、必要に応じて抜歯をするケースがあります。
(大松矯正歯科クリニックではできるだけ抜歯はしない方針ですが・・・)
その抜いた歯を冷凍保存して数十年間保管する技術が開発されています。
冷凍保存しておいた歯を数年後に、何かの理由で歯を喪失した場所に自家移植するためにキープしておくと言う考え方です。
ですから、親知らず(第三大臼歯)を安易に抜くのも考え物です。
残せる親知らずを残しておけば、後で簡単に移植できるような時代になると思います。
以下に関係記事をリンクしておきますので参考にして下さい。
広島大学発ベンチャーのスリーブラケッツ(広島市、釜田寛子社長)は、矯正歯科治療(歯並びの治療)や一般治療などで抜歯した健康な「小臼歯」や「親知らず」を長期間冷凍保存する「歯の銀行(Teeth Bank)」を、世界で初めて事業化している。最長40年間、預けることができ、虫歯や歯周病(歯槽膿漏)、事故などで歯を失った時に、インプラントや入れ歯ではなく、自分の歯を解凍して移植する。同社は広島大学大学院医歯薬学総合研究科の丹根一夫教授のグループの「歯根膜再生および凍結保存法」に関する研究を技術シーズに、その事業化を目指して2004年4月に設立された。
http://innovation.nikkeibp.co.jp/etb/20060201-01.html
また、抜けた乳歯を再生医療に利用する事も進められています。
世の中どんどん進歩しています。
名古屋大は乳歯から多様な細胞に成長する幹細胞を取り出して再生医療研究に役立てようと、抜けた乳歯を集める乳歯幹細胞研究バンクを設立した。同大の上田実教授らが6日、発表。大学や公共機関のこうしたバンク開設は世界初という。名大病院などの患者から提供を受けた乳歯の歯髄から幹細胞を分離保存する。将来は、幼児期の乳歯で老後に骨を再生し、孫の乳歯で祖父母の骨折治療に役立てる可能性もある。(共同通信 2007-12-7)